心臓リハビリテーション指導士における看護師の役割は?

心臓リハビリテーションにおいて、看護師の存在は必須です

心臓リハビリテーション指導士における看護師の割合

心臓リハビリテーション指導士資格取得者の10%弱は看護師です。

ちなみに、2019年の心臓リハビリテーション指導士試験の結果はこちらです。

いかがでしょうか?

看護師は多職種に比べると合格率が低いんですよね、それだけ看護師にとっては敷居の高い資格と言えるでしょう。

聞くところによると、

病態や薬の事などはだいたいわかるけど、運動についてや心肺運動負荷試験についてがさっぱりわからない

という意見があるようです。

そもそも、心臓リハビリテーションってリハビリなんだから理学療法士や作業療法士がやっていれば良いのではないの?

そういう考えや意見もあって当然だと思います。

しかし、私も理学療法士ですが、心臓リハビリテーションという名前がついていますが、一般的なリハビリテーションという印象とはだいぶ違うということを知っておいていただきたいと思います。

心臓リハビリテーションの役割・目的

まず、心臓リハビリテーション指導士とは何なのか?

日本心臓リハビリテーション学会のホームページにはこのように記載があります。

心臓リハビリテーション(以下心臓リハビリ)は、かつては急性心筋梗塞後の離床とデコンディショニング(脱調節)予防が主たる目的でした

しかし、近年では再灌流療法やCCUの普及、心臓手術の進歩により早期離床・早期退院が可能となったため、冠危険因子是正による二次予防(再発予防)のための心臓リハビリへと目的が変わってきています

つまり心臓リハビリは単に運動療法のみを行っていれば事足りるものではなく、食事療法や禁煙指導を含めた包括的リハビリを目指すべきであり、そのためには、医療専門職間の連携や共同作業(チーム医療)が必要となります。

また、チームが円滑に機能するためには、心臓リハビリに関する共通認識と知識や用語の共有化、定期的なカンファレンスやミーティングなども行う必要があります。このような状況の中、日本心臓リハビリテーション学会は、心臓リハビリテーション指導士(以下、心臓リハビリ指導士)の認定制度を2000年に発足させました。

(日本心臓リハビリテーション学会HPより引用 http://www.jacr.jp/web/jacrreha/system/about2/)

当初のような離床をメインにしたリハビリテーションであれば、我々理学療法士や作業療法士が中心に行っていればおおよそ役割は果たせたかもしれません。

しかし、この引用文章にあるように、現在の心臓リハビリテーションは二次予防を目的としたものが中心となりつつあります。

もちろん、院内で入院中の患者さんの場合は臥床に伴うデコンディショニングの予防改善も目的にはなります、それでも入院中からその先を考えた二次予防の視点を取り入れたリハビリテーションが必要です。

二次予防となると、運動だけでは絶対になしえません、食事や薬など、生活を多方面から見直さないといけないのです。

そのためには、リハビリテーション職種だけでは力不足ですので、やはり他職種からのアプローチが望ましいのです。

特に、入院中の看護師からの声かけは患者さんの心に響くものですので、心臓リハビリテーションの知識をもって適切な生活指導をしてもらえると非常に助かります。

心臓リハビリテーションにおける看護師の具体的な役割

大きな病院であれば、外来の心臓リハビリテーションにおいても常時看護師が配置されているところもあります。

そこで看護師がどんな仕事をしているかというと

  • メディカルチェック
  • 生活の聴取・指導
  • 動機付け

などがあります。

メディカルチェック

要するに外来に来た時の状態の確認です。

今から心臓リハビリテーションができるのかどうかはもちろん、心不全の状態に変化はないか、その他症状に変化はないか問診やフィジカルアセスメントを用いて評価を行います。

心臓リハビリテーションだからといって、心臓だけが悪い患者さんばかりではありませんよね?

消化器系、腎臓、肝臓、糖尿病、などなど

上げだせばキリがないくらい重複疾患を保有している患者さんばかりです。

  • 排泄は適切に行われているか
  • 血糖値の管理はしっかりできているのか

など看護師目線で患者さんにしてあげられることはたくさんありますし、理学療法士だけが口うるさく言うより他職種から同じことを言われた方が患者さんの行動変容につながることも多々あります。

まとめ

いかがでしたか?

こうやって考えると、心臓リハビリテーション指導士の資格取得を目指すことは看護師にとっても大いに価値があることだと思います。

看護師では他にも慢性心不全認定看護師など、たくさんの資格があります、もちろん認定看護師の方が資格取得の難易度は高いでしょう。

心電図検定もおもしろいです。

しかし、心臓リハビリテーション指導士の良いところは他職種が取得可能であるということです。

医師、看護師、薬剤師、検査技師、理学療法士、などなど

元々の資格が違っても、心臓リハビリテーション指導士という立場は皆並列になります、そこが良いところだと思います。

何より、現場で心臓リハビリテーションを行っている私からすると看護師の力はめちゃめちゃ欲しいです。

ぜひ、心臓リハビリテーション指導士に挑戦して下さい。

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勉強は一人でもできますが、多くの仲間に良いアドバイスをもらうことでその効果・効率は飛躍的に向上します。

私は専門である心臓リハビリテーションについてのお話を行いますが、サロン生には心リハを専門にしたい人もいればそうではない人もいます。

そして、今はまだいませんが今後は看護師や薬剤師、医師や検査技師、臨床心理士、栄養士など他職種が集まりより質の高い心臓リハビリテーションを目指していく団体にしていくつもりです。

心臓リハビリテーションを専門にしたい方にはもちろん役に立つお話ですし、今後同じ志を持った仲間として活動していきましょう!

そうではない人にも

 

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